無料のライダーハウス
休息日
2019.9/6(金)【31日目】
今日は実家で休息日だ。
やっぱり実家は今まで泊まったどの宿よりも安心感があった。ぐっすりだ。
久しぶりの実家でぐうたらしようと思ったが、いつも通り5時に目が覚めてしまった。
一か月前は11時まで寝ていることが当たり前だったのに、人はこうも変わるものか…
人は何かしらきっかけさえあれば容易に変わることができるのだと思い知った。
特にやることもなかったので、久しぶりに実家周辺をぶらついた。
近所のトライアルがメガドンキに変わっていてなんだか時間の推移を感じる。
通っていた小学校、中学校周辺も散歩した。
あの頃は自分がこうして関東の大学に行くことも、ましてや自転車で日本縦断なんて思いもしなかった。
小学校時代から10年が経って今に至る。
10年後の自分は一体どうなっているのだろう。楽しみだ。
夜ごはんはゲン担ぎ(?)でカツカレー。
実家のカレーはめちゃくちゃ美味しかった。
いよいよゴールは目前だ。
あと少しだけがんばろう。
迷子
2019.9/7(土)【32日目】
いよいよ最終ゴールの宗谷岬に向けて出発だ。
家族に見送られ、北へ北へと向かっていく。
今日は留萌市へと向かう。
札幌から海岸線沿いのルートはトンネルが多く危険だ。そのため、遠回りではあるが内陸部から留萌市を目指すルートを選択した。
天気は小雨。今日は130キロの長丁場だ。
先が思いやられる。
ナビに従って進んでいくと、草木が生い茂る道なき道へと案内された。
完全に迷子である。
しょうがないのでそのまま進んでいると、雨水を含んだ草木のせいで足がずぶ濡れ。
残りはまだまだ100キロ以上もある。
どうやら今日は大変な一日になりそうだ。
出会い
お昼ごろにはなんとか天気も回復し、走りやすくなった。
しばらく進むと、チャリに大きな荷物を乗せた人が目に入る。
(同業者だ…)
またもや直感し、声をかけた。
彼もまた自転車で日本縦断をしている旅人の一人だった。自分と同じく大学生だ。
ただ旅をするだけではなく、旅中に出会った人々に
「あなたにとっての幸せとは何か?」
をテーマに聞いているらしい。
自分も聞かれたが上手い答えを言えなかった。
この記事を読んでくれているみなさんならどう答えるだろうか。
なにはともあれ留萌市に到着!
無料のライダーハウス
今日泊まるのはなんと無料の宿だ。
無償のボランティアで成立しているこのライダーハウスは、一時中断している時期もあったらしいが30年間も旅人を支えてくれている。
オーナーさんは自分の仕事もきちんとこなしながらこのライダーハウスを運営している。
仕事をしながらとは凄い。色々なお話を聞いた。
無料ではある分、様々な規則が存在する。
・前日予約
・20時以降のチェックイン禁止
・22時以降の外出禁止
などだ。
こういった規則はほんとうはいらない。
ルールを守らない1%の人のためにやむを得ず定めるのだという。
自分も気がつかないうちにルールを破っていることがあるかもしれない。その度に誰かに迷惑をかけることになると肝に命じたい。
自転車で日本一周中の人にも宿で出会った。
転職するタイミングで出来た時間に旅をしているという。見た目はいかつかったが、話してみるとめちゃくちゃ優しい人だった。
人は見かけにはよらない。
宿にのれんが貼ってあった。
”自転車なんだよ人生は”
この言葉がとても心に響いた。
旅は人生に似ている。自転車旅は特にだ。
山あり谷あり。快晴のときもあれば豪雨のときもある。
ずっと上手くいくことなんてほぼあり得ない。
上手くいかないときにこそ
「そんなもの想定内だ」
と笑って前に進んでいけるようなメンタリティで自分の人生を突き進んでいきたい。
今日は130キロもこいでヘトヘト。
あと2日。がんばりたい。